今回も、まちづくり事業の話題です。まとめページ 的なブログ にしたいと思って書きます。
とても長いので、下線部や太字部分をたどってざっとご覧いただくのも、読み方としてはおすすめです。
9/29に、市議会の全員協議会が開かれました。内容は、この、新都市再生ビジョン(仮称)についてです。(「全員協議会」は、議案ではないけれど重要な事項についての報告の際に開かれることがあります。)全員協議会の会議録がアップされるのは7か月後とのこと。そして、非公開の会議のため現時点での質疑内容のご紹介はひかえたいと思いますが、
全員協議会での議論を踏まえ一部修正された、新都市再生ビジョン(案)が市民の皆様にも公開 & パブリックコメントが始まります。
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_pubcome/098/098766.html (三鷹市HP)
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リンク先の下の方、2つの添付ファイルです。
では、この新都市再生ビジョンについて、ざっくり、ご紹介していきたいと思います。
■三鷹市新都市再生ビジョン(仮称)とは?
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/093/093992.html (市HP)
↓↓一部抜粋(太字・下線は私がつけてます)
【計画策定の背景】
昭和25(1950)年の市制施行後の急激な人口増加に伴い、多くの公共施設や住宅が建設され、市街化が急速に進みました。現在はこうした施設の老朽化が進み、更新時期を迎えています。・・・(続く)
【計画策定の目的】
今後、老朽化した施設の維持保全に多くの経費が必要となり、財政面から事業の平準化を図る必要があります。また、建設された当時と比べ、社会状況やニーズ等が大きく変化してきているため、施設のあり方について見直しを行っていく必要があります。・・・(続く)
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学校施設も古いですよね。
国でも、公立学校施設の老朽化対策の推進 として、学校施設老朽化対策の計画を作りましょう、としています。(➡文科省HPより https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/1334433.htm )
その、学校施設長寿命化計画も、この新都市再生ビジョンに含めるよ というのが三鷹市の方針です。
(詳細は、資料のP.2 「2 新都市再生ビジョン(仮称)の位置づけ」をご覧ください。)
また、計画策定の背景や目的ではふれられていませんが、もう一つの背景として、2019年5月から市長が変わり、それまでの市庁舎の建替えの計画がいったんストップしたということがあると私は考えています。
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◎市庁舎等建替え整備の検討【令和元年度以降】
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/091/091349.html (市HPより)
↓↓一部抜粋(太字・下線は私がつけてます)
平成29年度から「三鷹市庁舎・議場棟等建替え基本構想」の策定に向けた検討を進めてきました。
しかし、現市庁舎・議場棟等は、必要最低限の耐震性能を満たしていることから、現時点で建替えの判断を⾏うのではなく、⼀旦⽴ち⽌まり事業の枠組み全体を⾒直すことを「第4次三鷹市基本計画(第2次改定)(令和元年度策定)」の主要事業に位置付けました。
具体的には、市庁舎・議場棟等の客観的な情報を把握するため、構造躯体や設備に関する劣化診断を⾏うとともに、「三鷹市防災都市づくり⽅針」を策定し、各防災拠点が担う機能や連携のあり⽅を明確にします。また、将来的な建替えを⾒据え、資産を活⽤した事業⼿法についての検討を⾏います。 さらに、防災拠点としての位置付けや劣化状況等を踏まえ、学校施設など他の公共施設も含めて、早い段階で対応に取り組む施設と、⻑寿命化等の改修を図ったうえで中⻑期的に対応する施設など、整備の優先順位の考え⽅等を⽰した「三鷹市新都市再⽣ビジョン(仮称)」を令和4年度に策定し、その中で市庁舎等の建替えの優先度等の検討を⾏っていきます。
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↑ 市庁舎単体ではなく、市の公共施設全体を見て公共施設の建替えなどの優先度を検討していくという方針転換をし、それらが示されたのが、新都市再生ビジョン ということです。
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▶新都市再生ビジョンのこれまでのスケジュール
初めて出てきたのは、2019年12月定例会。令和元年度三鷹市一般会計補正予算(第3号)の中で、ビジョン策定のための基礎調査(防災上重要な公共建築物の劣化調査)が補正予算に計上されました。その後、コロナ禍になり、当初予定していた策定時期が延期。(2020年9月定例会で関係予算を減額。)
○2021年9月 「新都市再生ビジョン(仮称)策定に向けた基本的な考え方」
三鷹市新都市再生ビジョン(仮称)の策定に向けた第一段階 とも言えます。
(市議会への報告についてブログでも取り上げていますのでご参考まで。)
○2022年5月 「三鷹市新都市再生ビジョン(仮称)中間まとめ」
この段階では、公共施設整備の方向性や公共施設維持保全計画の考え方も示されました。
(市議会への報告についてブログでも取り上げていますのでご参考まで。)
○2022年10月 「三鷹市新都市再生ビジョン(仮称)」(案)へのパブリックコメントの実施
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_pubcome/098/098766.html (三鷹市HP) ←今ココ
今回のビジョン案には、中間まとめには書かれていなかった、三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業や国立天文台周辺のまちづくりなどの、優先プロジェクトの記載が盛り込まれました。
単なる既存の公共施設の維持保全計画(維持保全計画は別途あり)ではなく、今後のまちづくり事業をどのように進めていくかというビジョンが示されています。
■資料について
新都市再生ビジョンは、とてもよくまとまっています。
まずは概要版を読んでいただき流れを確認していただき、疑問が残った部分については冊子のほうもお読みいただく、というのがよいかなと思います。
しかし、行政資料を初めて読む方や三鷹市に関するある程度の知識を持たない方にとっては、情報量が多く、また、説明を理解するにはかなり難易度が高いものであると感じます。(私は今も何度か読み直していますが、そういう意味だったのか、とわかることもあります…)
ですので、まずは、ポイント💡をピックアップしてご紹介したいと思います。
💡ポイント ピックアップ
・新都市再生ビジョンの対象施設は? (冊子P.3)
➡対象施設は、市が管理する公共建築物。(下水関係、倉庫、駐輪場などは対象外です。)
・対象期間は? (冊子P.4)
➡ 2023(R5)~2062年度まで。 2023~2035(R17)年度を「前期」、2036(R18)~2062年度を「後期」 としている。
前期の終わりに計画の見直しを行うことや、社会経済状況の変化等、必要に応じて見直しを行うということも書かれています。
・三鷹市は、今どのくらい施設を保有しているのか? (冊子P.5)
➡総延べ床面積 2022年3月現在 313,163㎡ (うち学校教育系施設が49.9%を占める)
・施設類型で、整備の考え方がある (冊子P.27~29)
・公共施設のマネジメントの4つの考え方(冊子P.30)
(①早急に取り組まなければいけなくなったときは、緊急対応方針を策定し迅速に対応 ②長寿命化が原則としつつ、更新が集中する時期があるので建替え時期の調整を行う ③建替え時期に応じて前期・後期にグループ化 ④優先プロジェクトの設定
・どのようにグループ化したの? (冊子P.33~34、P.59)
(概要版のP.6にも載っています。↓)
↑ 市民センター等の施設(←市庁舎のこと)は、「グループⅠに準じる施設」(事業の推進を図りながら、事業の進捗に応じて建替え時期の調整を図る施設)に分類されています。
・ライフサイクルコスト比較 従来型60年 > 長寿命化型80年 (冊子P.36)
・各施設の劣化状況(冊子P.37~53)
・各施設の前期・後期に必要な工事内容は?(冊子P.62~75)
→こちらの表は、今後の 維持保全計画 とされます。
・維持保全計画を反映した財政的な話(冊子P.76~78)
→事業費シミュレーションを見る際には、「試算の前提条件」(P.76)を理解する必要があります。(建替え費は今ある建物をベースにしている点や市保有地の利活用(売却や定期借地権など)の歳入部分は見込んでいない点 など)
ちなみに、関係するであろうまちづくり基金や庁舎等施設基金の活用についても見込んでいません。
(参考)市の積立基金の残高(R3決算)
その事業シミュレーションを基に公債費及び市債残高シミュレーションが行われています。
計画が実現可能なのか?を一定程度予測するためにも、シミュレーションすることはとても重要だと思いますが、大きなプロジェクトもあると示されていますので、不確定部分も多いなというのが私の印象です。
・優先プロジェクトや取組みの説明(冊子P.82~96)
→再開発、国立天文台、学校施設整備、市庁舎議場棟の建替え についての説明です。
このビジョンが、三鷹市の将来を含めた公共施設の見通し、未来図になる という意味で、
ぜひ、公開されている案の内容をご覧いただき、
もしよろしければ、パブコメでご意見を市に投げかけてみてください!
10月に入って、まちづくり関係の資料をご紹介してきました。
予算規模が大きいであろうプロジェクトが並行して進んでいくことになります。
・三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業 → このエリアを含む三鷹駅前地区まちづくり基本構想(案)(ブログでご紹介中) を2022(R4)年12月策定予定。
(子どもの森については今後、別途、意見募集とのこと)
・国立天文台周辺のまちづくり →土地利用構想を2023(R5)年12月策定予定(ブログでご紹介中)
・市庁舎 → 実質的に財政負担が生じない建替え方法の調査・検討し、4つの考え方(①市庁舎・議場棟等の整備規模の縮減、②法規制の緩和による民間活力の導入、③周辺公共施設との一体的な整備(施設の集約化)、④資産活用形態)が示されています。https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/091/091349.html(市HP)←リンク内の「市庁舎・議場棟等の建替え事業手法の検討」 をご覧ください。(ブログでもご紹介中)
そのほか、井口特設グラウンドの土地利用構想(ブログでもご紹介)も策定されるなど、
まちづくり関連の動きがわりとあります。
市民のみなさんがご自身で考えられるように、市議会への説明と同レベルの情報にちゃんとアクセスできるようにしたいと思う気持ちから書いています。
ぜひ、行政の資料をご覧いただき、ご自身の理解にお役立ていただければと思います。
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