一般質問の「質問作り」と「解説」

一般質問作りにかなり苦労し時間がかかったのは、私が初めてのことだからということだけではなく、一般質問の内容に関する一種の制限があったからです。


三鷹市議会の定例会の日程は、

一般質問(議員が市側に質問し、答弁をもらう)

市長提出議案(市側の提出する議案に対し議員が賛否を示し議決をとる)

という流れです。


そのため、市側の提出予定の議案で直接取り上げられる内容については、一般質問で取り上げないように、という内容の縛りがあります。

(このあとみんなで審議するのだから、その前に1議員が一般質問で質問するのは自粛しましょう、ということです。)

他にも、一般質問に関するご紹介をすると、

・同一会派内で、同じ内容に関する質問をしないように

・議案として提出する予算に関する内容に直接触れる質問をしないように

等があります。

(今回は特に、補正予算の議案があり、補正予算の中で触れられている学童や幼稚園、保育園に関する内容の一般質問ができませんでした。)

これらは、市議会の規則ではなく、先例(過去、話合わせた結果の事例)として残っており、先例に従うことが求められます。先例は従うことももちろんですが、新たな基準として作られることもあります


ちなみに…

ご紹介したのは三鷹市議会の一般質問のルールです。

他の地方議会では、議案の内容に一般質問でも触れてもよかったり、

行政側の議案→一般質問 と、流れ自体が違ったり、様々です。


私の一般質問の動画をご覧になった多くの方が感じているだろうこと、

成田は、緊張している?のか早口で聞き取れない

内容が文字で示されないので内容がわからない

このもやもやを、少しでも解消させていただければ…と思い、(カッコ)で解説を加えながら、内容をかいつまんで載せます。よろしければ、三鷹市議会HPの「本会議の日程(令和元年第2回定例会(6月6日から6月28日))」とあわせてご覧ください。

↓↓

子育て家庭の中に吸収されてきたニーズの把握について】(←「項目」 大きなタイトルです)

(質問1~2) 日曜日の子どもの遊ぶ場所について (←「要旨」 小さなタイトルです)

質問1 親子で過ごせる場所づくり(おやこひろば事業)について

すくすくひろばやのびのびひろば(4歳になる前まで使えます)は日曜日は休館しています。お休みであっても、乳幼児を連れての遠出はしにくく、近場で過ごせる場所が求められています。おやこひろばの日曜日の開館について、市長(※)のご所見をお伺いいたします。

(※・・・「市長」か「教育長」になります。教育委員会を除く全ての部・局の管轄の内容が市長、教育委員会の内容が教育長です。市長とした場合の答弁者は、市長ご本人と質問内容を管轄する部長です。なお、現在、教育長が現在は不在のため今回は教育委員会となっています。)


質問2 小中学校の体育館の開放事業を行うことについて

動きが活発な幼児や小学生の、日曜日の遊び場として体育館が使えたら、特に天気の悪い日曜日は、大変喜ばれるのではないでしょうか。市長のご所見をお伺いいたします。


(質問3~6) 一時預かりについて (←「要旨」)

質問3 一時預かりの登録のしくみについて

目的を問わずに利用できる一時預かりは、在宅子育て家庭の利用が主です。一時預かりはのびのびひろばをはじめ、私立保育園でも実施されていますが、それぞれの施設ごとに登録を行うしくみです。保育園での一時預かりの登録は、大半の園で、子どもと同伴が必要で、登録のための時間も指定されたり、登録のための予約が必要だったりします。

利用したい日の予約が取れないことがあるため、複数の保育園に登録をする方もいます。親は、登録の手続きのたびに時間がとられます。また、保育園は、ただでさえ多忙な勤務時間の中から、手続きのための時間を捻出しなければなりません。

現在のしくみでは、利用する親側にも、一時預かりの登録をする保育園側にも、負担がかかっています。この状況を改善するための、一時預かり事業の登録のしくみ作りの検討をできないか、市長のご所見をお伺いいたします。


質問4 のびのびひろばの利用の予約について

現在、のびのびひろばの予約方法、予約の空き状況の確認は電話で行われています。手作業による事務も多いのだろうと感じます。電子での予約や空き状況の確認ができるなど、利用者への利便性の向上と、同時に、職員の事務負担を軽減するようなしくみ作りを検討できないか、市長のご所見をお伺いいたします。


質問5、6 一時預かりのニーズ把握について

平成25年9月に行われた「子育て支援ニーズ調査」で、一時預かり事業に対する潜在ニーズは高いと、三鷹市も分析しています。

一時預かりは、①お子さんが保育園にまだ入れていなく保育園に入るまでの預け先として、また保育園の入所基準に至らない働く親(週2回、一日3時間働くなど)の需要も担っているし、②目的(リフレッシュや用事など)を問わず利用でき、実家が遠いなどで周囲に助けが少ない親、特にお母さんのための在宅子育て支援の重要な事業であると考えます。

しかし、一時預かりの予約が取りづらい時期があると感じています。例えば、春休み。幼稚園のお休みと重なることや、上の子の卒園式、入学式で下の子を預けたい等需要が高く、私自身も予約が取れなくて困ったという経験をしています。

予約を断った人の希望していた日にち、希望時間などの具体的な調査はしているのでしょうか。(質問5)

また、年間を通じての混み具合、何歳児が何時間利用しているというようなデータを取ることも、今後の一時預かり事業のニーズを把握する上で、貴重な資料になると考えます。市長のご所見をお伺いいたします。(質問6)

壇上での質問を終わります。ご答弁よろしくお願いいたします。


→答弁は動画をご覧ください。再質問、再々質問の主な内容↓↓

質問1について

おやこひろばの中でも、年間の来館数が5万人を超え、日曜日も開館のニーズがありそうな「すくすくひろば」について、子育て中のお出かけを特集しているWebサイトでは、「男性も入りやすい雰囲気」とか「旦那さんが子どもをすくすくひろばに連れて行っている間に奥さんは家事や家の用事を済ませたり、ゆっくりできたり有意義な時間を過ごせるメリットがある」と紹介しています。

①お母さんばかりの場所にお父さんがぽつんと入ることはなんとなくハードルが高いのが現実ですが、男性も入りやすい雰囲気のすくすくひろばは貴重な場所です。すくすくひろばのように、お父さんがお子さんを「気軽に」連れていく場所を作るということは、父親の育児参加の促進にもつながるのではないでしょうか。②また、お母さんの時間を作ってあげるのに役立つという点で、子育て家庭全体への支援ということになります。

すくすくひろばの日曜日の開館は、今「家庭内に吸収されているニーズ」だとは考えられないでしょうか。また、何か、新しい施設を作ったり新規事業を立ち上げなくても、今ある子育て支援策の延長でニーズに対応できるという点で、検討していただく価値はあると考えます。

毎週でなくても、隔週でも、まずはすくすくひろばの日曜日の開館をご検討いただきたいと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

質問3について

利用したいから登録する、なのに、登録の時点でかなりの労力がかかる。登録の時点でのハードルがあり、一時預かりを使いたかったが使わなかったという方もいらっしゃると思います。これではニーズにこたえているとは言えません。

みたか子育てネットに掲載されている「市内一時預かり施設の紹介」で17の施設があります。それぞれの園の登録用紙を集められるだけ集め、記載する内容を確認したところ、子どもや親の住所氏名連絡先、発達状況(寝返りがいつかなど)、アレルギーや予防接種状況などで、様式こそそれぞれの園で異なりますが、記載する内容はほぼ同じです。

預かる施設側は、登録時にしっかり面接やヒアリングを、という意識もあると思いますし、その意識は親としても安心です。しかし、しっかりとした面接やヒアリングは、一度でよいのではないか?という想いもあります。

どこか「1か所で」「1度で」登録が済むようなしくみ作りをご検討いただけないか、ご所見をお伺いいたします。

質問4について

予約について、すべて電子へ切り替え、というのは(利用者も事務を担当される方も)難しいということはあると思いますが、それでは電子と電話の併用はいかがでしょうか。

特に空き状況の確認については、電子でのリアルタイムでの反映は難しいにしても、1日何回、何時に、と決めて更新することは、親は予約状況をたずねなくてもわかりますし、問い合わせの電話も減るので職員の方の事務負担も軽減されると思います。ご所見をお伺いいたします。

質問5と6について

適切な情報提供があってこそ、本当のニーズの把握になると思います。みたか子育てネットにある一時預かり施設の表には、施設の住所と電話番号しか載っていません。この表にもっと情報を載せれば(対象年齢、利用可能時間、料金など)、たとえ一つの一時預かり施設で予約が取れなくても、他の一時預かりをあたってみよう、などとニーズに対応できる可能性があります。ご所見をお伺いいたします。


→今回、すべての質問に対して、前向きなご答弁をいただくことができました。(と認識しています…)

前向きなご答弁をいただいたということは、これから取り組んでもらえる可能性が高いということです。

また、今後の一般質問で、「前回、○○について前向きなご答弁をいただきましたが、その後はどうなりましたでしょうか?」と進捗をたずねることもでき、より実現へ近づけることができます


一般質問は、

【議員】一気にまとめて質問 → 【市側】一気にまとめて答弁 → 【議員】答弁に対して再質問(まとめてもまとめなくてもよい & 答弁に満足した質問には再質問しなくてよい) → 【市側】再質問に対する答弁 → 【議員】答弁に対して再々質問 → 【市側】再々質問に対する答弁 ・・・

という流れです。

私の質問時間10分の中で、事前に市側に提出した原稿を読み、答弁に対する再質問をしなければならず、早口でつめこんでいます。今回、再質問についても、答弁を予想し、ある程度原稿を作っていました(提出はしていません)。

のちに議事録に文字で残るからそちらをご覧いただくこともできる、としても、動画をご覧になった方が物足りなさを感じてしまっただろうことについては、課題として次回にいかしていきたいと思います。

子育て女性の声を 市政へ

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