一般質問のご紹介(2021年12月定例会)

ご覧いただきありがとうございます。

(再質問や市側の説明を追記しました 2021.12.20)


今回は、市の男性職員の育児休業等に関する質問です。

職員事案に関する質問は、「外野」からの口出し?的な感じになったり実質に迫れなかったりと、いろいろと難しさがあるとは認識していますが、、

少しでも意味のあるものにしたい…!!と気持ちを強くもって臨みます。


一般質問の登壇原稿などをご紹介します↓


男性職員の育児休業等の取得について

(1)三鷹市の男性職員の育児休業取得状況について

男性の育児休業取得率はここ数年上昇しています。厚生労働省によると、2020年度は12.65%(前年度は7.48%)という報道発表が7月にありました。しかしその一方で、女性の81.6%とは大きな差があります。

三鷹市の男性職員の育児休業取得率は41.7%で、国の掲げる目標である「男性の育休取得率を2025年に30%」はすでに超えているものの、女性職員の対象者全員が取得している状況に対して、差がある状況は同じです。

Q1 三鷹市の男性職員の育児休業取得率や取得状況について、所見をうかがいます。

Q2 対象職員への周知・意向確認はどのように行われているのでしょうか。


(2)三鷹市の男性職員の出産介護休暇と育児参加休暇について

現在、三鷹市では、男性職員の出産介護休暇と育児参加休暇の取得率目標を「すべての対象職員が5日以上取得」つまり100%としています。家族が増えるという大きな変化を伴うライフイベントとして、三鷹市がこの休暇の取得目標を100%として推進している姿勢はとても評価できるものです。しかし、2020年2月の総務委員会の行政報告の資料や三鷹市特定事業主行動計画(後期計画)に基づく取組の実施状況の公表(※)の資料にも示された通り、当該休暇を取得していない職員がいます。

(※… https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/085/085659.html 三鷹市HPより )

Q3 この2つの休暇の取得状況について、取得しなかった職員へのヒアリングを個別に行うなど、理由の把握は行っているのでしょうか。

Q4 また、現状への認識と、今後についての所見を伺います。


(3)男性版の産休制度について

令和3年6月に育児・介護休業法が改正されました。今後段階的に施行されていきますが、令和4年4月1日には、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付けが、令和4年10月からは子どもが生まれてから8週間以内に最大4週間まで仕事を休める制度が、施行されます。

Q5 現在、三鷹市では男性職員の出産介護休暇や育児参加休暇、育児休業制度がありますが、この法律の改正により今後どのような変更があるのでしょうか。


【資料のご紹介(ご参照)】

◆育児・介護休業法の改正の内容

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html (厚生労働省HPより)


◆令和2年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握の ための調査研究事業 仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書 〈労働者調査〉

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000200711_00003.html (厚生労働省HPより)


◆東京都の取組み「TEAM家事・育児」

https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/danjo/wlb_top/0000001589/(東京都生活文化局HPより)



~市長・所管部長の説明~

  (いただいたご答弁より成田が要約しています)



・男性職員の育児休業について(Q1・2) 

令和2年度の三鷹市の男性職員の育児休業率は41.7%。年度でばらつきはあるが全体として上昇傾向にあり、制度が着実に浸透してきた結果と捉えている。

市の職員向けの子育てハンドブックというものがある。その中でも、子どもが生まれることがわかった段階で、上司と人事担当課に報告することを案内し、また、育児休業制度も含め、出産育児に関する制度の周知を図っている。

 男性職員が育児休業を取得するために大切なこととして、子どもが生まれると報告を受けた上司からの積極的な声かけや職場の理解などが考えられる。引き続き制度の周知を図るとともに、育児休業を取得する職員をカバーできるような職員体制の構築などにより、一層、育児休業を取得しやすい職場の雰囲気づくりを進めていきたいと考える。


・出産・介護休暇、育児参加休暇 (Q3・4)

出産・介護休暇は、配偶者の出産にあたり子の養育やその他家事等を行うための休暇、育児参加休暇は、配偶者の産前産後の期間に育児に参加するための休暇。

取得しなかった職員に理由を確認したところ、妻の家族のサポートがあった、早期に育児休業を取得した、休暇を取得する必要はなかったことを理由としていた職員が多くいた一方、業務繁忙のために取得できなかったという声もあった。また、取得実績から、生まれたお子さんが1人目である場合、取得率が低くなるという傾向もあった。なお、休暇制度を知らなかったという職員はいなかった。

育児休業と同様、育児参加休暇等の取得率の向上に向けては、同じ職場で働く職員の理解が第一だと考え、取得しやすい職場の雰囲気づくりに取り組む必要があると考える。


・令和3年6月の育児・介護休業法改正による三鷹市の制度改正について(Q5)

地方公務員(三鷹市職員含む)は、地方公務員の育児休業等に関する法律が適用されている。令和3年6月の改正を受け、こちらの法律の改正も想定されている。改正後の育児休業法と同様、育児休業の取得制限の緩和等の措置がなされると考える。引き続き国の動向を注視し、必要な条例改正、様々な条件の見直しなど適切な時期に対応していく。育児休業など今より取得しやすい職場の改革につなげていきたいと考えている。


~以下、再質問とご答弁


(成田) 現在の状況が、本当に育休等の取得を希望する男性職員が取得できる環境といえるのかという観点で再質問する。

男性版産休と育休を合わせると、最大4回までまとまった休みを取ることが可能になるということが先日新聞でも出ていた。取り方もさらに多様になるということ。その方にあった取り方が可能になる反面、過去事例がない分、とりづらさや利用しづらさは、初めは特にあるのではないか。周知の仕方やフォロー体制はどのように考えているか。


(総務部調整担当部長) 当初、部分休業が入った時も、最初は取得する職員はいなかったが徐々に増えていって、今は多くの職員が部分休業も取得している状況。すぐに取得、という状況になるのは難しいところだが、職場の理解、また様々な機会をとらえて休暇制度の周知が重要で、そのように取り組んでいく。


(成田) 制度に関して、知らなかった職員はいなかったということだが、気になるのは、本当にその制度の周知が、対象の方に認知されているのかということ。制度に関する対象の職員の理解が深まれば、実際の取得につながるケースがあるのではないかと考えている。育休取得などをした先輩男性職員の話を聞く機会などは今あるのか。


(総務部調整担当部長) 男性職員の育児休業を取得した経験について、職員向けに研修等の案内をしている庁内の広報誌で、経験談として載せるというようなことを実施している。


(成田)  男性職員は、体に変化がある女性職員とは異なる状況からスタートしていると私は思っている。また、上司世代の育休の取得者数もそこまで多くないと思われるため、心理的ハードルはそれなりにあると私は考えている。さらに、男性職員は、育休を取得する年次のレンジが女性に比べて広いため、若手に比べて中堅職員はとりづらいのではないかと推測するが、所見を伺う。


(総務部調整担当部長) 男性女性かかわらず、年齢層は幅広くなっている、中堅どころ、職責によっては、なかなかとりづらく感じるところがある状況は正直あると思う。ただそれも、育児だけでなく、介護の休暇もあるので、そういった休暇も併せてとれるような職場づくりが大事だと考えている。


(成田) 職場の理解度というところが、取得できるかにかなり影響してくると思われるが、対象職員の上司への制度の周知はどのように行っているか。研修などで周知しているのか。


(総務部調整担当部長) 研修という形では行っていない。庁内でいつでも見られる形で、子育てハンドブックを掲載している。ただし、現実的には職場に対象の職員がいて初めてそのハンドブックを上司の方が見る状況と思われるので、そのような経験がない上司の方には、見る機会、触れる機会がない状況もあり、そこは少し課題である。


(成田) 厚生労働省のHPにある令和2年度仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業の「仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書」の中から紹介したいことがある。

 子の育児のための休暇・休業制度の中で、いずれの休暇・休業制度も利用しなかった理由について、回答者を女性と男性で比較した場合に、男性のほうが回答した割合が多かったことが顕著だった理由を、5つ挙げる。

①収入を減らしたくなかったから ②職場が育休制度を取得しづらい雰囲気だったから ③残業が多いなど業務が繁忙であったから ④自分にしかできない仕事や担当している仕事があったから ⑤昇給や昇格など今後のキャリア形成に悪影響がありそうだと思ったから

このような取得しなかった理由については、三鷹市でも当てはまるのではないかと思う。特に、職場が育休制度を取得しづらい雰囲気について、部下が上司に申請して承認をもらうという構造的なハードルがある。難色を上司に示されたら、育休を取りたいという意思表示さえしづらいという状況があると思う。正面からだめという方はいらっしゃらないようにも思うが、例えば、事前の育休取得の意思表示の段階では好感触だったが、いざ申請する段階で、職場の状況が変わったから、とか、上司が異動したばかりだから(抜けてもらっては困る)、といろいろなケースがあり得る。そこが女性職員と比較すると違ってくるというふうに思っている。空気を読まなければならないとご自身が思ってしまうという状況、市長はご認識はあるか。


【解説】※男性職員の育休申請までの道のり(ご答弁などを含め)

育休をとろう(とれるだろうか?)と子育てハンドブックを読み始める

「●月~●月にかけてとりたい」と上司にハンドブックを使いながら相談(プレゼン)する(職員さんは、承諾されるだろう期間や時期を考えるため、実際に取りたい期間や時期を調整(遠慮)している場合もある) 

上司がいったん承諾する(この時点で、時期や期間などが変更される場合もある、難色を示される場合もある) 

申請する(この時点で、悪いが休ませられない、といった状況を上司から告げられるOR空気を読まされ、申請をあきらめるケースもある

()内が言葉で語られにくい現状育休申請が終わるまで、気が抜けない…というのが男性職員の本音ではないだろうか。



(市長) 上司側と対象職員側、どちらの気持ちもよくわかる。どちらかといえば昭和の時代に生きてきた人間だから、職場の反応がどういうふうになるかというのはわかる。ただ現在は、少なくとも三鷹市役所はあまりカタい感じではないのではと思う。

今回の新型コロナでもそうだが、仕事が大量に増えるという状況の中で、体に変化がある女性に対し男性はない、また少し前まではそういう時休まなかったという状況の中で、仕事の穴をどの埋めるかを判断する中で、上司は今残っている課のメンバーに、逆にその部分の仕事のしわ寄せが行き、それが病欠につながるという可能性も十分あるという事態と日々直面している。他の職場からも知っている状況の中で、判断の時にいつもにこやかにどうぞ、お休みくださいとなかなか言えない。上司側の悩みもあるのではないかと推測する。

 やっぱりそれをフォローする体制づくりが大変重要になってくる。理解がないから若干渋るというのではなく、理解があっても渋らざるを得ない状況が、現在職場全体に蔓延している。今までは職員数を減らすということを通して行革がなされていたが、今後は増やすという行革をせざる得ないかもしれない。今すぐ結論を出せる話ではないが、しっかり研究・検討していきたい。


(成田) 男性の育休取得に積極的に取り組む企業では、やはりトップが意欲的、意思表示することが大きく影響するという話がある。職場の空気、意識をそれぞれ変えていくことがむずかしい場合は、トップダウンが効果的で、それが必要だと感じるが所見をうかがう。


(市長) そう思っている。


(成田) 先ほどご紹介したアンケート調査には、妊娠・出産や育児のための休暇・休業制度を取得したことによる夫の変化という項目もある。その項目の男性の回答で私が特に注目しているのは、早く家に帰ることを意識するようになった、仕事の効率化を考えるようになったという回答。育休取得した男性職員が、働き方改革をリードする存在になる可能性を示しているのではないだろうか育児休業は急な事故や病気での休みではない、計画的なお休みであるという点からも、全庁の管理職が男性職員も育休を取ることを前提とした仕事のマネジメントをしていただくことや、人に仕事が貼りつきすぎないことも、今後大事になってくると考えるが所見をうかがう。


(市長) そのように思う。働き方改革の前提には、生産性の向上という問題がある。従来かなりきめ細かい対応をしていた部分で、効率という視点で、早く帰るためには少し違った仕事の仕方をしなければいけなくなる。そういうことも社会全体が受容するようになっていかないと、なかなか伝わらない部分が出てくると思っているので、かなり思い切って、そういう職場にしていくんだと、そのことで批判される部分はでてくるが、全体の社会なり、市役所でもそういう自覚がなければできないと思っている。


(成田) 担当部署には、人事や研修を考える上でも、育休を取得したかしなかったかだけでなく、希望していたが取得しなかったというようなことの詳細把握を続けていただくことや、育休取得した後のフィードバックの機会や、先輩から後輩へ経験をシェアしたり、多様な休暇取得のロールモデルを知る機会、さらに対象職員1人の話とせず組織として支える仕組みづくりが今後さらに重要だと考える。

今回、男性職員の育休という内容で質問したが、単に男性への支援というだけでなく、今後の女性の管理職の話にも関連していく話と私は考えている。育児休業制度が希望する職員にきちんと選択肢として存在し、ちゃんと利用され続けていくことを要望する。




(20211209 以下追記)

動画もアップされています。

https://mitaka-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=gikai_result&gikai_id=50 (三鷹市議会インターネット中継より)

持ち時間10分という関係で、特に再質問で聞き取りづらい部分がありましたら申し訳ありません。

職員さんの話になるため、人が特定されるような発言はさけながらも、説得力を出すことに心がけました。



育休に関する制度は、自分が第1子を出産した約10年前と比較するとかなり変わっており、今回の法律の改正でも、男性でもさらに育休が取りやすくなるような変更があります。私自身、調べて、こんなふうにも取得できるのか、と発見もありました。

取得できるか?と考えている一般企業の方も、この流れをぜひ前向きに捉えていただき、上司へのプレゼン、頑張ってください!!

応援しています。

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