一般質問のご紹介

今回は、「学校を拠点とした子どもの放課後の居場所作りについて」というタイトルで一般質問を行いました。

録画がアップされました。アップされる期間は次の定例会までです。よろしければご覧ください😊(私の動画部分はトータルで30分弱です)

https://mitaka-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=gikai_result&gikai_id=42  三鷹市議会HPより


今回の再質問は、かっちりとは作らず(作りこめませんでした💦)、話し言葉が多くなりました。

全体として、緊張していたものの、焦りすぎずにできたのではないかと思い、とりあえず、ほっとしています…



~今回の一般質問の前知識として~

〇地域子どもクラブとは?

https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/058/058585.html (三鷹市HP)の、事業紹介冊子「三鷹市地域子どもクラブ」の2つのPDFファイルに詳細に書かれていますのでご参照ください。

各小学校、それぞれの愛称で呼ばれています。


〇放課後子供教室とは?

かなり大まかな説明です↓

放課後子供教室(国の文科省管轄)= 地域子どもクラブ(三鷹市の名称) 

放課後児童クラブ(国の厚労省管轄)= 学童

(放課後子供教室に関するこれまでの国の取組み等についてはこちらによくまとまっていますのでご参照まで。https://manabi-mirai.mext.go.jp/torikumi/hourei-plan/plan/shin-houkago.html 「学校と地域でつくる学びの未来」サイトより)


〇第2期三鷹市子ども・子育て支援事業計画

https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/086/086006.html

(三鷹市HPより)



(登壇原稿)

学校を拠点とした子どもの放課後の居場所作りについて

(1)地域子どもクラブについて

令和2年3月に策定された第2期三鷹市子ども・子育て支援事業計画の中に「学校を拠点とした居場所づくり」とあり、その具体的な施策として「地域子どもクラブ事業の充実」を挙げています。

質問1 放課後子供教室を民間委託によって実施している近隣他市区もある中、三鷹市が、放課後子供教室として実施する地域子どもクラブ事業を、協働の取り組みという形で行っている経緯をお伺いいたします。


令和元年度は、放課後の居場所づくりとして、地域子どもクラブ事業の拡充にむけたモデル事業を実施しています。その予算審査の際に、当時の市長は「学童保育のニーズが顕在化する中で改めて放課後の意義が重要性を帯びてきた」とし、その中で「放課後の子どもたちの居場所と活動を保障する地域子どもクラブについて再評価し、それが毎日開かれることの重要性を改めて表現した」というような説明をしています。

令和2年度は、施政方針で「地域子どもクラブ等を拠点とした子どもの居場所づくりの拡充」で、「安定的で持続可能な活動へとつなげていくため」に、担い手の確保のための運営費を増額しており、河村市長においても本事業の安定的な運営を目指すという方向性を継承していると認識しています。

しかし、学校ごとでの開催の形態、開催頻度などの違いがあります。また、地域での担い手の実情や課題もそれぞれで、うまく継続しているところ、運営が縮小に転じているところ、と事情が様々あります。

質問2 地域子どもクラブ事業の現状からすると、今後、実施日数を増やすという形の全市的な展開は難しいのではないかと考えます。ご所見をお伺いいたします。

質問3 担い手について、ボランティアの形でPTAや地域の方々だけに依存しないあり方も、考えていく必要があるのではないでしょうか。


質問4 平成30年に子育てに関する生活実態調査も行っています。子どもの放課後の居場所のニーズに関してどのような認識なのか、ご所見をお伺いいたします。


(2)三鷹教育・子育て研究所について

第2期三鷹市子ども・子育て支援事業計画に、子育て世代の環境の変化や多様化するニーズを踏まえて、三鷹らしい教育と子育て支援を実現するために「三鷹教育・子育て研究所」の機能を活用するとあります。

質問5 学校を拠点とした放課後の居場所づくりは、研究所ではどのような形で扱われているのでしょうか。

質問6 また、研究所で実施した調査、研究はどのように施策に反映されていくのでしょうか。


(3)学校施設のさらなる活用について

質問7 学校を拠点とした放課後の居場所づくりは、教育部局と市長部局がまさに一体とならなければ進まない取り組みだと考えます。学校を拠点とした放課後の居場所づくりのための、学校施設のさらなる活用について、ご所見をお伺いいたします。



~市長・教育長・所管部長の説明~

  (いただいた答弁より成田が要約しています)


・地域子どもクラブ実施委員会との協働による実施の経緯について (質問1)

地域子どもクラブ事業は、子どもたちが地域で文化活動やスポーツ活動に親しめるよう、学校を拠点に子どもの居場所づくり事業として、平成15年度に始まった。地域の方々が関わることで、子どもを核とした新しい地域コミュニティをつくるという目的があった。平成15年度はモデル校3校で実施し、平成16年度にモデル校を5校に増やし、平成17年度からは全市展開している。一貫して、保護者や地域の方々が実施委員会の構成員として事業に関わり、顔の見える関係性を構築しながら、地域社会全体で子どもを育む取組として事業展開をして現在に至っている。

発展していく過程で、国の進める地域子ども教室との統合や、校庭、遊び場開放事業との統合など、事業の見直しも行ってきたが全体として様々なばらつきがある。地域ごとに始まったことで、いい意味でも悪い意味でも、現状に反映していると考えている。


・地域子どもクラブの今後について

 保育所の待機児問題が現状少しずつ解消に向けて動いているが、次は学童保育所だと認識している。視察したが、かなり満杯状態で限界がきている。12月議会でも提案しているが、学童保育所A、B、C、さらにはDという形で拡充し続けている状況。

 そういう意味で、次なるテーマは、スクール・コミュニティ。学校自体でどういうふうに対応するかという問題も含め、学校が地域の中で核になっていくときに、まさに本来的な意味での子どもを核とした地域づくりが生まれてくる。

 全体的にどういう形でスキームをつくっていくかということは今後の検討課題だが、地域の中で一体的にやっている先行例もあるので、よく研究していきたい。


・地域子どもクラブの現状と今後の運営について(質問2,3)

 昨年度及び今年度は実施委員会の方々の意見をふまえ、事業の拡充及び担い手の確保を図ため事業予算の増額も図ったところだが、思うような成果がなかなか得難い状況もあった。今後の運営については、事業の継続性を考慮しながら、民間の力を活用するようなことも含め、抜本的な解決策となるような新たな方向性を検討する段階であると考えている。


・子どもの放課後の居場所に関するニーズについて (質問4)

 平成30年度に実施した子育て支援ニーズ調査では、各公立の小学校の2・4年生に学童保育所と地域子どもクラブの利用意向を質問。2年生では、学童保育所の利用意向が52.8%、地域子どもクラブが64.4%、4年生では、学童保育所が19.8%、地域子どもクラブが47%だった。

 子どもの成長に合わせて様々選択肢が増える中で、学童保育所の利用意向が減少するのに対し、地域子どもクラブは約半数の小学生が利用したいと考えていると確認できた。子どもたちの気持ちも受け止めながら、より充実した魅力ある事業にしていく必要があると考える。


・学校を拠点した放課後の居場所づくりの教育・子育て研究所での取扱い等について(質問5,6,7)

 教育・子育て研究所は、2020年7月に三鷹のこれからの教育を考える研究会として設置。令和3年度まで2か年にわたり研究を行う。現在までに、12名の研究員による研究会を4回開催した。

 今年度は三鷹市の人口推計、これまでの実績、課題に基づき、三鷹のこれからの教育の方向性について議論を進めている。特にこれからの教育の柱となる「個別最適化された教育」や「スクール・コミュニティ」についての研究を行う中で、学校施設の在り方についても検討している。

 これまでの議論では、市における学童保育の現状の報告も行い、その中で、放課後の子どもの居場所としての学校施設の活用についても言及されている。放課後の居場所づくりについては、共働き家庭の増加や家庭状況の多様化に伴い対応を検討する必要があると考えている。学童保育、地域子どもクラブ、地域未来塾との関連も含め、学校施設の活用について研究を進めていきたい。

 中間報告を3月までには出したい。 現在のキーワードの1つめはコモンズ。(これからの学園・学校は、社会の重要な社会資本、インフラ。子どもたちのためだけではなくて、多様な方たちが学校を活用して使って、人間的に成長していく。学びの場と生涯学習の場でもあるというような意味合い。) キーワードの2つめはトリプルプラン(仮称)。(学校を子どもたちの学びの時間、朝から放課後帰るまでを第1期、第2期は子どもたちの放課後・中学生の部活動の時間体。第3期は大人たちの時間。学校が単なる居場所というだけなく、様々な人たちにとって価値ある場所として、本当に市民の役に立つ市民の財産としての学びの場としての学校、といったイメージ。)新しい理念でそれらが実現できればいいと考えているが、この研究会は教育長の下請機関ではなく、独自にいろいろ議論がなされている。

 この提言は、今後、第5次の三鷹市基本計画や新しい三鷹市教育ビジョンに反映されるとともに、スピード感を持って進めるべきものは進めていきたい。ただ、報告書を丸飲みというわけではなく、市の実情等を踏まえた上でしっかりと受け止めていきたい。


~再質問のやりとりのご紹介(要約)~

(成田)今後のニーズについて。

 ニーズとウォンツをどう判別するかは難しい。アンケート調査だけでは、実はニーズを正確に把握することは難しいと私自身は思っている。また、例えば、児童館のようなイメージの毎日安定して開催される放課後の居場所が実際にあるとなれば、またアンケート調査の結果も変わってくるのではないかと考えている。

 平成30年度の小学生の保護者とかお子さんを対象にしている調査結果だが、昨年度から幼保無償化が始まり、預かり保育にも補助が出て幼稚園ママも働き始めるというような大きな流れができていると私は考えている。こういう点を考慮すると、保護者については放課後の今後のニーズは、当時より増えるのではないか?


(子ども政策部長)

 平成30年度に実施したニーズ調査では小学生の保護者の方にも聞いている。小学校の保護者の方では放課後の過ごし方として、7割、8割の方が塾、習い事というような居場所に一定程度子どもを通うであろうと想定をしている。保護者の方については、ある意味、地域子どもクラブ、現状を踏まえまして、利用する可能性は低いのではないかなというふうに判断されている場合が多いような印象を受けた。それに比べて子どもたちについては、今回毎日実施されていたら通いますかという質問で、通いたいが約半数、さらに使うにあたっては、毎日という割合は少なく、2~3日というようなところが主流と捉えている。

 子どもが成長する過程で様々自分の選択肢が生かされるというのは大切なこと。子どもの健やかな成長を地域で見守りながら、安心して子どもたちが自由に活発に人間力、社会力を身につけられるような、そういった居場所が必要だと感じている。


(成田)学校施設の活用について。

 子どもを取り巻く環境の変化が取り上げられている。学校は教育の場だけではなく、子どもたちにとって安全で安心して過ごせる場ということが、今後より意識されていくのではないか。


(教育長) 

 学校はただ学びの場、教育を指導する場だけではなくて、安全安心な場所ということがもちろん求められる。安全指導の充実はもちろん、施設、設備のやはり安全安心ということも重要。教育委員会は、安全教育の全体計画を学校に毎年提出してもらい避難訓練や教職員による安全点検を義務づけている。毎月1回、学校の中を全部くまなく点検し、教育委員会に報告もしている。


(成田)地域子どもクラブ事業について。

 この事業の全市的な展開や担い手の確保が難しいのではないかという質問をしたのは、調査の結果から。市内の15の小学校の実施状況(実施日数や実施回数、校庭開放の回数、夏休みの実施日数など)に学校間での結構な違いが出ている。もちろん通う生徒の人数や開催形態も違いがあるので単純比較はできないが、それを考慮したとしても、例えば実施日数で数倍の違いがあるといった顕著なものもあった。また、経年比較でも、令和元年度の3月の1か月は新型コロナの影響を受けている数字と考慮したとしても、ここ数年で縮小傾向が出ていることが伺える数値もあった。このようなことをどのように考えているか。


(市長) 

 全般的にコミュニティ行政が1つの曲がり角に来ていると認識している。高齢化による影響も大きい。この問題だけに限らず、ボランティア活動を中心に地域活動など、担い手が一定の限界を迎えつつある。それを脱却していくにはどうすればいいのかという視点で、いろんな議論を重ねていく必要もあると思っている。

 実際そうは言っても、熱心に支えていただいている方もいらっしゃるので、その方たちのお気持ちもある。そういうバランスを取って議論していかなければいけないので、一定の時間は必要とも思っているが、お子さんの成長は待ったなしなので、一定の対応策をしっかり現場と考えていきたい。


(成田)一般質問のまとめ 

地域子どもクラブ事業について懸念しているところはまさにそこ。立ち上げから今の形になってもう十数年たって、その中で様々な違いが鮮明になってきた。市も求めるものが少しずつ変わってきているような気もしている。そういう中で、市が予算を増額したとしても、現場の課題解決に至っていないというところがある状態。やはり市が主導となって、仕組みから一旦整理、再構築するときがもう既に来てるんじゃないか、そういうふうな懸念があった。なのでこの質問をした。

 今回、地域子どもクラブ事業の施策のよしあしを問いたかったわけではない。子どもたち、そして、その周りの保護者や地域の方々といった大人たちを取り巻く環境は変化している。そういう中で、子どもの居場所について、三鷹市が真剣に取り組む時期が来ていると考えている。この思いは、この定例会で、3会派の議員が一般質問で、子どもの放課後の居場所に関するテーマを取り上げているので、市としても重みを感じていただき、認識していただきたいと考える。

 最後に、学童の子ども、そうではない子どもを分け隔てなく、安全で安心に過ごせる居場所づくり、それが保護者にとっても安心につながるという側面からも、学校を拠点とした子どもの居場所づくりが重要であるということを再度申し上げる。


(今回は、議長から短縮の協力依頼がありましたので、持ち時間を1分半程度残し、質問を終わりました。)


(~市長・教育長・所管部長の説明~以下、ここまで、2021.1.13追記、1.14微修正いたしました)


地域子どもクラブについては、長く運営に携わっていらっしゃる方にお話をうかがう機会をいただいたり、視察もさせていただきました。また、以前から様々なご意見もいただいており、いろいろな思いをこめて質問に臨みました。


全体として前向きなご答弁をいただいたと認識しています。

子育て女性の声を 市政へ

三鷹市議会議員 成田ちひろの公式HP・ブログ