2023.9 決算議案への代表質疑のご紹介

ご覧くださり、ありがとうございます。


本会議3日目、一般質問のあとに、前年度の決算の認定に関する議案が市側から上程されました。

https://www.gikai.city.mitaka.tokyo.jp/activity/schedule/2023/custom_2023c.html


そして、本日、本会議4日目に、この決算認定議案に対する各会派の代表質疑が行われます。 


三鷹市議会では、先例で、代表質疑は交渉会派(3人以上の会派)が行うとされていますが、

今回、議長への申し入れを行い、各交渉会派の皆さまにもご了解いただき、(✨)

諸派である私も、代表質疑の機会(持ち時間7分)をいただきました❣



決算の認定議案は、執行済みのもの(過去)に対して行うものです。

認定されなくても、執行は済んでいるという点で、

条例や予算といった議案とは少し異なるものと感じています。


初めての決算代質で、どのような内容にするか悩みましたが、

各事業の詳細は、決算特別委員会でもきけるということから、

財政に関することを中心に質疑することにしました。


質疑の内容をご紹介します。



(登壇原稿)

決算議案に関する代表質疑を行います。


 1、予備費について 

 令和4年度に予備費で充当を受けた科目の中には、その充当科目の不用額が充当額を上回るものもあります。 

質問1 予備費の充当は、どのような過程を経て決定するのか。また、予備費を充当する際の考え方についてうかがいます。 


 令和4年度の予備費の予算額は、それまでの1億円を5000万円増額し、1.5億円としました。一方で、予算執行実績報告書によると、予備費の充当額は2700万円程度で済み、予算残額は約1.2億円強となりました。 

質問2 令和4年度の予備費の充当状況に関してのご所見をうかがいます。 


 令和4年度予算を編成していた時期は、新型コロナ感染症の状況が刻一刻と変化し、先行きが不透明だったことや、実際に臨時会を開いて補正予算を何号も策定し対応していたことから、政策判断として予備費の増額の措置は必要だったかもしれません。しかし、コロナ感染症が5類となった現在は、また状況が変化しています。 

質問3 今後、予備費の額を、それまでの1億円とし必要があれば増額補正するそれ以前の形に戻すことを検討することが必要ではないでしょうか。



 、当初見込んでいた国や都の交付金が確保できなかった事業について 

 歳入の国庫支出金や都支出金の収入額が、予算現額と比較して減る場合は、その補助金を使う事業をしなかったケース、見込みより少ない経費で執行したケースなどがありますが、稀なケースとして、当初見込んでいた国や都からの交付金が結果として確保できなかったというケースもあると認識します。 

 令和4年度は、「令和5年度 教育に関する事務の管理及び執行 の状況の点検及び評価(令和4年度分)報告書」の中での記載があるように、第二中学校大規模改修Ⅰ期工事がそのケースに当たると認識しています。 

質問4 令和4年度中、2中の工事の他に、当初見込んでいた国や都の交付金が確保できなかった事例はあったのでしょうか。 

質問5 当初見込んでいた国や都からの交付金が結果として確保できないとわかった場合、執行するか否かを、どのように決定するのかについてうかがいます。 



3、財源の組み換えについて 

 令和4年度は、年度途中に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金給付事業費補助金といった国庫支出金を財源として補正予算を組み、取組をおこなっています。 

質問6 当初、一般財源で行う予定だったもので、これらの国庫支出金を財源に組み替えることができた事業はあったか、また、あったとしたら、その額を確認します。 



4、積立基金について 

 積立基金高は、令和4年度末時点で、令和3年度末からプラス19億の約193億です。そのうち財政調整基金は62億円です。 

質問7 財政調整基金の積立が増えた理由と、財政調整基金の積立基金額の在り方について考えをうかがいます。 

 そのプラス19億のうち、内訳は、財政調整基金とまちづくり施設整備基金がそれぞれ、約6億円、健康福祉基金は約5億円、子ども・子育て基金が約2億円となっています。 

質問8 基金積立の配分について、考えをうかがいます。 



~市長・所管部長の説明~      

(いただいたご答弁より成田が要約しています) 


・予備費充当の過程・考え方(Q1)

 予備費は、年度の途中における不測の事態等に対して、議会の理解もいただきながら、早期に対応することが必要な場合義務的な性格を有する場合や、軽微な不足などに対応する場合に活用を図っている。

 予備費の充当にあたっては、三鷹市予算事務規則に基づいて、所管部から企画部へ申請し、企画部で審査した上で、金額に応じた決裁区分により決定している。


・令和4年度の予備費充当状況、今後の予備費の予算額について(Q2、Q3)

 令和4年度は、東京都の補助事業延長に伴う高齢者施設入所等PCR検査、自宅療養者に対する食料品等の支援などの継続的な新型コロナウイルス感染症に係る経費の不足や、ウクライナへの救援金、避難民への生活支援給付金の給付など緊急対応として予備費の活用を図ったが、予算の事前議決主義の例外として、必要最小限とすることが要請されている。

 新型コロナウイルス感染症や物価高騰の対応として、適宜、臨時議会を開き補正予算の議決を経て執行としたため、結果的に充当額が例年より少額になったと認識している。できる限り補正予算で議会の承認を得てきたので、その分、臨時に予備費で支出することは少なくなった。結果をみて、改めて意外に思っている。

 令和6年度以降の予備費の予算額については、実績を踏まえながら予算編成のプロセスを通して検討してまいりたい。


・当初見込んでいた国や都の交付金が確保できなかった事業(Q4)

 その場合の事業執行の決定について(Q5)

 R4年度、当初予算で計上していた国や東京都の財源が確保できなかった事例について、第二中学校の大規模改修工事のほかに、三鷹台駅前広場整備事業などがあった。

 年度当初に庁内に発出している予算執行方針では、国庫支出金、都支出金または地方債等の特定財源が充当されている事業については、財源確保の見通しがつくまで、原則として事業の執行を停止することとしており、当初予定していた国や東京都の補助金等が見込めない場合には、個別に協議して方針を決定している。

 国や東京都の他の補助制度の活用など替わりの財源確保が可能か、替わりの財源確保が難しい場合には、一般財源の負担増の影響や税収等の全体の財政見通しが可能なのか、また、事業の重要度や緊急性などを勘案し、実施の可否を決定することとしている。

 なお、福祉Laboどんぐり山プロジェクトについても、当初予定していた補助金ではなく、それを上回る替わりの補助金を確保し、予定どおり整備を進めている。


・国庫支出金に財源を組み替えた事業について(Q6)

 交付金は使途の指定はあるものの包括的であって、充当事業の選択に当たっての裁量が大きい

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の充当事業については、交付金の交付決定額や、当初予定していた充当事業の執行状況などを踏まえ、予算時の計画から追加や変更を行っている。予算時では一般財源により実施予定であったタクシー事業者継続支援事業や小・中学校における学習用タブレット端末の配備について、本交付金を結果的に充当することとした。なお、この2事業への交付金の充当額は1億8,300万円余。

 もう一つの電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金給付事業費補助金については、当該給付金の給付事業のみが補助対象となっているため、組み替えた事業はない。 


・財政調整基金の残高の増の理由と基金額の在り方について(Q7)

 決算年度において、令和3年度に生じた実質収支令和4年度の執行で生じた不用額や市税収入等の上振れ分を、補正予算を編成して積み立てる一方、収支状況を踏まえて取崩しを行わなかったことから、財政調整基金の残高は、前年度から約6億円増となる61億円余となった。

(ご参照 積立基金については決算概要のページ11、12に説明があります)

 財政調整基金は、急激な税収減等による財源不足への対応や、年度間調整の役割を担うもので、こ れまでも実質収支や市税収入等の上振れ分等が生じた際には積立てを行ってきた。

なお、三鷹市都市経営アクションプラン2022(※)では、標準財政規模やリーマン・ショックの際の減収実績等を勘案し、残高の目標を50億円と設定している。 

(※https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/030/attached/attach_30996_1.pdf 三鷹市HPより)


・基金積立額の配分の考え方(Q8)

 毎年3月補正で各基金への積立額を決定している。各基金への積立額の配分については、三鷹市都市経営アクションプラン2022で定める財政調整基金50億円、健康福祉基金及び子ども・子育て基金20億円といった目標額を目安に各基金に配分した上で、今後、本格化する都市再生の取組による将来のまちづくりを見据えた財源確保を図るため、まちづくり施設整備基金に積み立てることとした。


~再質問~


(成田)予備費について。5000万円前年度より増やして予算計上したが、結果的に充当する額が少なかったということで一定の理解をしたが、今後充当額が少ないことが続くようなら、予算時の予備費の額についての検討が必要だと思い、質問した。

 当初見込んでいた国や都の交付金確保できなかった事業とその執行までの過程について、詳しく説明いただいた。今回の第二中学校の工事については、どのような過程を経て執行されたのか。


(企画部調整担当部長)第二中学校の大規模改修工事の財源については、令和3年度から4年度にかけて国の補助金の見直しがある中で、国に新しい補助制度に関して協議をしたところ、不採択というような話があった。そうした中で、先ほど説明したように、一般財源の負担の影響、事業の重要度、緊急性などを勘案して実施の可否ということを判断したところだ。


(成田)今後もこういうものが出てくる可能性があるものと思うが、引き続き、財源見込みもしっかり立てて執行するということをお願いしたい。 

 財源の組替えについて。一般財源から国の交付金に財源を組替えた金額が1.8億円ぐらいと説明いただいた。このような組替えにより、ある意味、使われる予定だった一般財源が余ったお金となり、それが積立額の増加につながったと考えてよいのか。


(企画部調整担当部長) 交付金の当初予算での充当については、基本的に歳出予算に対して10分の10の歳入予算を組んでいるが、執行の段階で歳出の予算の執行率が下回ることによって、その分不用額が出る。充当する歳入についても、ほかの事業に充てるようなことが想定される。

 また、決算年度において、国から年度の途中に連絡があり、出納閉鎖期間中の支出については、国の交付金の財源が繰り越されている関係で、対象にならない旨の連絡があったため、結果的に当初想定した充当事業を変更して、説明した2事業に充当した。これについては交付金を十分に確保するための取組みだとご理解いただきたい。


(成田) 積立基金について。当該年度の財政調整基金の残高は約61億円で、三鷹市都市経営アクションプラン2022の目標(財政調整基金50億円)を超えているということについての所見をうかがう。


(企画部長)財政調整基金の目標残高について、調整担当部長も説明した通り、令和元年度に策定した都市経営アクションプランの中で、残高を初めてその段階で定めたものだ。その際も、どういった考え方にするか非常に悩んだ。標準財政規模の15%にしている団体もあったが、リーマン・ショックのときに1年間に大体15億円程度を取り崩した経緯があり、3年間、基金の取崩しで対応して、その間、行革を行う中で軌道に乗せていく、そういった考え方から50億円というふうに数字を設けた。

その後、状況も変わって残高も確保できてきた。他市の状況、標準財政規模等も踏まえて、次期の都市経営アクションプランの中で、目標残高についても修正していきたいと考えている。


(成田) 積立額の配分について。

残高の基準もある中で、総合的な判断だと思うが、まちづくり整備基金と財政調整基金に手厚めに積み立てていると感じるが確認する。


(企画部調整担当部長)まちづくり施設整備基金については、今後の本格化する都市再生の取組みがある。これからの財政負担を見込んで、まちづくり施設整備基金に積み立てた。

 

(成田) ご答弁ありがとうございました。令和4年度の執行と、財政に関する質疑を行いました。

各事業の内容に関する質疑は、後刻設置される特別委員会で行いますのでどうぞよろしくお願いいたします。





今回、決算審査特別委員会の委員になったので、「後刻設置される特別委員会で~」のくだりを初めて言うことができました。

録画をご覧になった方はお気づきかと思いますが、うれしい感じの表情をしています(笑)


今日も最後までご覧くださり、ありがとうございました✨


(市側の説明、再質問等を追記しました 2023.9.27)